FX投資におけるアベレージ・コストとは、保有しているポジションの平均建値単価の事を指します。例えばドル円を1ドル100円で10000通貨購入し、その後このポジションを保有した状態のままドル円が1ドル98円に下がったタイミングで10000通貨を追加購入した場合、投資家が保有するドル円の買いポジションは合計20000通貨でアベレージ・コストは99円という事になります。

アベレージ・コストは保有ポジションの損益分岐点を把握する上で重要な数字となります。100円で買ったポジションと98円で買ったポジションを個別管理していると、損失を出さずに決済するためにはドル円が再度100円を上回るまで保有を継続しなければなりませんが、各ポジションを同時決済する場合は、ドル円がアベレージ・コストである99円を上回ったタイミングで決済をすれば通算損益で損失を出さずに済みます。例えば上記の各ポジションを1ドル99円50銭で決済をした場合、100円で購入したポジションは5000円の損失が発生しますが、98円で購入したポジションは15000円の利益が発生するため、通算では10000円の利益を確保する事が出来るのです。

アベレージ・コストを把握せずに取引をしていると、利益確定のタイミングを計り損ねて、利益を得るタイミングを逃してしまったり、損失の拡大を防ぐためのロスカットを執行し損ねるリスクがあるため、注意が必要です。